「ヶ月」でなく「か月」を使う
「いっかげつ」を表記する場合、「一ヶ月」や「一箇月」など人によって異なります。
私は「一か月」と書いています。
Googleで調べてみると次の通りでした。
検索語 | 検索数 |
---|---|
"ヶ月" | 471,000,000 |
"か月" | 58,400,000 |
"カ月" | 55,900,000 |
"ヵ月" | 44,000,000 |
"ケ月" | 8,050,000 |
"箇月" | 799,000 |
「ヶ月」が圧倒的に多いです。
しかし、これは実に不細工であると私は思っています。「箇月」と書いていたのを省略して「ヶ月」と書くようになったのだと思いますが「締切」を「〆切」と書くような古臭さがあります。
調べてみるとNHKでは「か月」と表記するようです。
Q.最近、「…ケ月」という表記を目にすることがありますが、「か」と「ケ」はどちらが正しいのでしょうか。
A.放送では現在、「か」を使っています。
解説
数詞に続けて物を数えるときには、昔は「五ヶ所」「五ヶ条」のように小さく「ヶ」と書くことがありました。また、固有名詞の場合にも「駒ヶ岳」「槍ヶ岳」のように書かれます。これらは、一般的にはカタカナの「ケ」を書いて、カまたはガと読むのだと意識されているようですが、本来はそうではありません。
「ケ」はカタカナの「ケ」ではなく、漢字の「箇(カ)」の略体「个」または「箇」のタケカンムリの一つを採ったものが符号的に用いられてきたものです。したがって、戦後の公用文や教科書などでは「ケ」を使わず、「か」を大きく書くことで統一されており、新聞では「カ」を使っている社もありますが、放送では固有名詞を除いて、平仮名の「か」を採っています。
(「…か月」「…ケ月」 | ことば(放送用語) - 最近気になる放送用語 | NHK放送文化研究所)
放送は「か月」、新聞は「カ月」だそうです。「ヶ月」は使わないようです。
では公文書ではどうでしょうか。全部は無理なので法律について思い付いたところを調べてみました。
法律 | 表記 |
---|---|
民法 | 一箇月 |
商法 | 一箇月 |
刑法 | 一月 |
法人税法 | 一月 |
個人情報の保護に関する法律 | 一月 |
行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律 | 一月 |
古い法律は「箇月」、最近の法律は「月」です。「一月」は「いちがつ」でなく「ひとつき」と読むのでしょう。
確かに、年は「いちねん」、日は「いちにち」なのに、月だけ「いっかげつ」は奇妙だと思っていました。
いずれにせよ「ヶ月」は使いません。
[ 2014年6月30日 | カテゴリー: 豆知識 | タグ: 日本語 ]
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