巴戦で最も有利なのは誰か

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大相撲は1場所につき、各力士がそれぞれ15番行い、最も勝ち数の多かった者が、その場所の優勝力士となる。もし勝ち数が同じ時には優勝決定戦を行う。2力士が同点のときには1番で済むが、3人のときにはどうするかというと、大相撲独特の巴戦(ともえせん)という方法を用いる。この巴戦とは、誰かが2連勝したら終わりというもので、初めは3人のうちの2人が対戦し、その後勝った方と残りの1人が対戦する。連勝すれば、そこで優勝だが、連勝出来ないときには、先程敗れた力士が再登場し、また対戦し、以下これを繰り返す。

では3力士の力量が同じと仮定すると(つまり勝つ確率がそれぞれ2分の1)誰が最も勝ちやすいか。

A、B、Cの三人がいるとし、最初はAとBが対戦、その勝者とBが対戦することにする。このときAとBの勝つ確率が同じことは明らかであるのでCの勝つ確率を計算すればよい。なぜならCの優勝する確率をpとするとAの勝つ確率は(1-p)/2で容易に計算出来るからだ。

AとBが対戦しAが勝ったとき、次のAとCの対戦でCは勝たなくてはならない。そして次のCとBの対戦でCが勝てばCの優勝が決まる。ここまで3試合あったのでここでCの優勝する確率は(1/2)3である。

ところがBが勝ってしまったとき、次にCが勝つチャンスが巡ってくるのは3試合後。ここで優勝する確率は(1/2)6

これを繰り返すと3試合毎にチャンスがまわってくることが分かるので、その確率はそれぞれ(1/2)9、(1/2)12、…、という具合になる。つまり初項1/8、公比1/8の無限等比級数を計算すればよいことになり、これは1/7となる。

初めのAとBの対戦でBが勝ったときも同じ結果になるのでCが優勝する確率は2/7となり、AとBが勝つ確率はそれぞれ5/14となる。

[ 2014年10月10日 | カテゴリー: 豆知識 | タグ: , , ]

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