Excelのワークシート関数で終価と現価を計算する

終価とは

毎年1万円ずつ10年間積み立て、年1%(複利)の利息が付くと何円になるか。
これを終価と言います。
定期預金のように一定金額を定期的に金融機関に支払い、利息を付けてもらう場合に使われます。

1回目に支払った1万円は、10年後には10年分の利息が付くので、1.01の10乗を掛けて11,046円になります。
2回目に支払った1万円は9年分の利息が付くので10,937円になります。
10回目に支払った1万円は1年分の利息が付くので10,100円になります。
これらをまとめると次の通りです。

回数 年数 計算式 結果
1回目 10年 10000*1.01^10 11,046
2回目 9年 10000*1.01^9 10,937
3回目 8年 10000*1.01^8 10,829
4回目 7年 10000*1.01^7 10,721
5回目 6年 10000*1.01^6 10,615
6回目 5年 10000*1.01^5 10,510
7回目 4年 10000*1.01^4 10,406
8回目 3年 10000*1.01^3 10,303
9回目 2年 10000*1.01^2 10,201
10回目 1年 10000*1.01^1 10,100

それぞれの結果を合計すると105,668円となります。これが終価です。

終価を計算する「FV」

この終価をExcelのワークシート関数で計算する場合は「FV」を使います。

FV(利率,期間,定期支払額,現在価値,支払期日)

  • 利率は1%のときは「0.01」とします。
  • 期間は積み立てた回数です。今回は「10」です。
  • 定期支払額は1万円ずつ積み立てるので「10000」です。
  • 現在価値は頭金のようなものですので今回は「0」です。
  • 支払期日は期末に支払うときは「0」、期首に支払うときは「1」とします。今回は最後に支払った分に1年分の利息が付くと仮定していますので期首払となります。「1」です。

「=FV(0.01,10,10000,0,1)」と入力すると「-\105,668」となります。
マイナスなのは「支払った額(プラス)が戻ってくる(マイナス)から」と考えます。

月払終価を計算するときの注意

使い方が難しいのは月払終価のときです。
毎月1万円ずつ10年間積み立て、年1%の利息が付くと何円になるか。
これをFVで計算します。

  • 利率は次のように考えます。
    年1%のときは1年後には元本は1.01倍になりますので、1か月後には1.01^(1/12)倍になると考えられます。
    ここには元本部分を除いた部分をセットすることになっていますので、「1.01^(1/12)-1」をセットします。
  • 期間は積み立てた回数です。今回は12か月の10年分で「120」です。
  • 定期支払額は1万円ずつ積み立てるので「10000」です。
  • 現在価値は頭金のようなものですので今回は「0」です。
  • 支払期日は期首払で「1」です。

「=FV(1.01^(1/12)-1,120,10000,0,1)」と入力すると「-\1,262,256」となります。

現価を計算する「PV」

同様に現価についてもワークシート関数で計算できます。
毎年1万円ずつ10年間受け取るためには、年1%(複利)の利息が付くとして、現在何円預ければよいか。
これを「現価」と言います。
Excelでは「PV」を使います。

PV(利率,期間,定期支払額,将来価値,支払期日)

「=PV(0.01,10,10000,0,1)」と入力すると「-¥95,660」となります。

1万円ずつ10年間受け取ると10万円ですが利息分を差し引いて95,660円だけ預けておけばよいということです。

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