2025年12月13日、フクダ電子アリーナ(フクアリ)は17年ぶりに訪れた歓喜の熱狂に包まれました。明治安田J1昇格プレーオフ決勝において、ジェフユナイテッド市原・千葉は徳島ヴォルティスを1-0で下し、2009年以来となるJ1復帰を成し遂げました。
長きにわたり「J2の沼」に沈んでいたジェフにとって、この昇格はまさに「三度目の正直」です。過去2012年と2014年のプレーオフ決勝で涙をのんできましたが、6度目の挑戦でついに悲願のJ1切符を力ずくでたぐり寄せました。
準決勝:17歳が起こした「フクアリの奇跡」再来
千葉が決勝に進む道のりは、あまりにも劇的でした。12月7日に行われた準決勝、RB大宮アルディージャ戦。千葉はホームアドバンテージ(引き分けでも決勝進出)がありましたが、試合は劣勢となり、後半開始直後の48分には0-3という絶体絶命の状況に追い込まれていました。
誰もが諦めかけたその時、小林慶行監督の采配が流れを一変させました。後半15分、アカデミー出身の17歳のMF姫野誠がトップチームデビューとなるサプライズ投入されました。当時高校2年生で、プロ契約を締結したばかりの姫野選手の登場は、「何か状況を一変させたい」という監督の強い思いと、スタジアムの雰囲気を変えたいという狙いがありました。
姫野選手がピッチに立つと、チームは息を吹き返しました。後半26分(71分)にFWカルリーニョス・ジュニオが反撃の狼煙を上げ、77分にはMFエドゥアルドがミドルシュートで1点差に迫りました。そして83分、姫野選手が相手DFに挟まれながらも独力で突破し、GKの頭上を抜くプロ初ゴールとなるループシュートを決め、3-3の同点に追いつきました。
千葉はわずか16分間で4ゴールを奪う驚異的な大逆転劇(4-3)を収め、この試合は2008年のJ1最終節以来となる「17年ぶりの“フクアリの奇跡”」と称賛されました。
決勝:カルリーニョス・ジュニオが J1 への扉をこじ開ける
準決勝で勢いづいた千葉は、12月13日、再びフクアリで徳島との決勝に臨みました。前半をスコアレスで終え、後半は勝利が必須の徳島が猛攻を仕掛けますが、千葉の堅守は崩れませんでした。
そして後半24分(69分)、膠着を破る瞬間が訪れました。カウンターからDF高橋壱晟が右サイドを駆け上がり、絶妙なクロスをゴール前へ供給しました。これに飛び込んだFWカルリーニョス・ジュニオが頭で合わせてゴールネットを揺らし、値千金の先制点を奪いました。
この虎の子の1点を守り抜いた千葉は1-0で勝利しました。長年にわたるJ2の戦いに終止符を打ち、ついにJ1昇格を掴み取りました。
21年ぶりの「オリジナル10」集結へ
この勝利は、ジェフ千葉がJリーグ創設時に名を連ねた「オリジナル10」の名門であることを改めて証明しました。来季、J1リーグでは、現存する「オリジナル10」の9チームが、2005年以来21年ぶりにトップリーグに集結することになります。
小林慶行監督は「最高でーす」と喜びを爆発させ、主将の鈴木大輔選手は「機は熟したと思っていた」とコメントしました。フクアリの力を信じ、幾多の苦難を乗り越えてきたジェフ千葉が、新たな歴史の扉を開いた瞬間です。


コメント