Set the World on Fire - Annihilator

アナイアレイターはカナダ出身のギタリスト、ジェフ・ウォーターズが結成したバンドである。
ボーカルや他のパートはアルバムごとに変わっているから、ジェフ・ウォーターズ・バンドと呼んでいいかもしれない。この点、イングヴェイ・マルムスティーンに似ている。
音楽は一言で言えばスラッシュ・メタルだが、スピードのある演奏だけでなく、アコースティックも自由自在に操り、引出しは豊富でバラエティに富む。

その多様性が最も発揮されたのが、3rdアルバムの「セット・ザ・ワールド・オン・ファイア」であろう。
ボーカルはアーロン・ランドールで、参加したのはこのアルバムだけ。元はヘヴィ・メタルでなく、オペラかミュージカルの歌手を目指していたと記憶している。
ドラムスはマイク・マンジーニで、後にドリーム・シアターに参加した。

アルバムのオープニングはタイトル曲で、長いフェイド・インで始まる。短いブレイクの後、ギター、ベース、ドラムスがユニゾンで切り込む。演奏技術の高いアナイアレイターが得意な手法で、その後のアルバムでも聴くことができるパターンだ。スラッシュ・メタルとは何かという話でメタリカのラーズ・ウルリッヒは「全ての楽器がユニゾンで演奏する」と言っていたが、まさにそのような曲だ。
二曲目の「ノー・ゾーン」はスピード・チューンで、一曲目では比較的、自由度の低かったギターが、縦横無尽に暴れる。
五曲目「フェニックス・ライジング」はアナイアレイターでは珍しいパワー・バラード。アーロン・ランドールの表現力が遺憾なく発揮され、感動的である。
次の「ナイト・ジャンプス・クイーン」はシャッフルで、ヴァースではクリーンなトーンのギターが、コーラスでは一転してスラッシュらしいトーンになる、対象の妙が面白い。
そして七曲目の「サウンズ・グッド・トゥ・ミー」はアナイアレイター史上、最もメロディアス。ギターのバッキングは終始、美しいアルペジオ。
ジェフ・ウォーターズは、屈指のスラッシュ・ギタリストでありながら、扇情的なギター・ソロを奏でることができ、叙情的なアルペジオを奏でることができる。もっと評価されて良いギタリストである。

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[2014-08-24]

Annihilator,1993年

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