The Ethereal Mirror - Cathedral

日本ではこのバンドをカテドラルと呼ぶのか、キャシードラルと呼ぶのか、知らない。
その程度の認識しかないことを最初に断っておこう。ここではカテドラルと表記する。
私がカテドラルに対して持っている認識は、別の有名なヘヴィ・メタル・バンドにいた、ボーカリスト、リー・ドリアンが結成したバンドでとにかくヘヴィというもの。リー・ドリアンのだみ声とギターの音色を聴けば、その認識はさほどずれていないだろう。とにかくヘヴィ。
カテドラルのアルバムは一枚しか持っていない。「The Ethereal Mirror」。なぜ、このアルバムを購入したのか、全く記憶にない。急にこのアルバムのことを思い出し、聴きながら、この記事を書いているのだが、初めて気が付いたことがある。今まで「エターナル」だと思っていたが、実は「イシーリアル」だった。エーテルの形容詞形だった。空気のようにごく軽い、というような意味だ。

ヘヴィ・メタルという音楽と対極にあるのがポップであろう。ポップとポップスは厳密に言うと違う。ポップスはポピュラー・ミュージック、有名な音楽という意味であるから、有名なヘヴィ・メタルであればポップスである。しかしポップと言った場合は明るくて楽しい音楽を指す。ポップには弾けるという意味がある。ポップコーンのあれである。
この意味でヘヴィ・メタルとポップは対極にあるというのが一般的な認識だ。
しかしヘヴィとポップは共存しうる。それがこのアルバムだ。
特に4曲目の「Midnight Mountain」などはポップだ。ドラムのカウントから歪みきったギターが切り込む、典型的なヘヴィ・メタル。しかし次にリー・ドリアンが「オー、イエー」と叫んで曲が展開する。ボーカリストが「イエー」と言うとき、私は彼を信じることにしている。ギターの音は歪んでいるが奏でるフレーズはメロディアス、シンプルながらも手数の多いドラムスもメロディアスな印象を強める方向に働いている。中間部では手拍子も飛び出し、ポップである。
2曲目の「Ride」はさらに音が歪んだギターのリフから始まるが、やはりメロディアス。重いギターのバッキングに乗ったリー・ドリアンの声は低いがこれもメロディアス。
ヘヴィとポップが融合した佳作である。

などと書いてきたが、アルバム・ジャケットがポップだった。

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[2015-01-10]

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