Rust In Peace - Megadeth

四大スラッシュメタルと言われるが、それぞれの性質はばらばらである。

アンスラックスは東海岸の出身でリズムギターとドラマーが中心。ボーカル、リードギターが流動的。

スレイヤーはギターがスポークスマンでもう一人のギターが曲作りの中心。ボーカル兼ベースは不動だが発言力はない。ドラマーが流動的。
メタリカはドラマーがスポークスマンでボーカル兼ギターが曲作りの中心。ベースが流動的。
メガデスはこれらと比較しても異色で、ボーカル兼ギターがスポークスマンで曲作りの中心。他の全てのメンバーは流動的。創設時からのメンバーはデイヴ・ムステインしかいない、典型的なワンマンバンドである。
デイヴは元はメタリカのリードギタリストであった。他のメンバーにクビにされ、田舎に帰る長距離バスのチケットを渡された。見送りに来たジェイムズ・ヘットフィールドは泣いていた。既に後任ギタリストは決まっていた。こんな話があったと記憶している。
デイヴはメタリカに復讐を誓い、自身のバンド、メガデスを結成する。
スラッシュのような形態のバンドでワンマンバンドは稀有である。コンセプトを構築し、曲を作り、ギターを演奏し、歌を歌う。どれも難しい。デイヴ・ムステインはそれらを全て一人でやってのけた。プレッシャーで薬物中毒になるのも頷ける。
曲調はデビュー当時から多彩であった。スラッシュらしい速いリフで押しまくる曲だけでなく、スローテンポの曲もある。緻密なリフの重なり、緩急。デイヴはこれらを「インテレクチュアル・スラッシュ」と呼んでいた。「知的な」という意味だ。同様に知的な要素があるプログレッシブ・ロックとは違うアプローチでメガデスは進化を続ける。
そしてメガデスのサウンドはアルバム「Rust In Peace」で完成し、同時に人気を不動のものとする。
私はこれに収録された「トルネード・オブ・ソウル」が最も好きだ。攻撃的なリフ、攻撃的なボーカル、そして急に情緒豊かなギターソロが始まる。このアルバムの成功の一つの要因はこれを演奏したマーティ・フリードマンにあると考える。デイヴ一人の音楽性に別の音楽性が加わり、ケミストリーが生まれた。

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[2014-06-26]

Megadeth,1990年

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