Mirage - Camel

​五大プログレははっきりしているが六番手となるとよく分からない。

私が知らないということもあるが、世間的な評価も固まってはいないように思う。
プログレッシブ・ロックのファンはロック好きの中でも変わったものが好き、さらに言えば他人が聴かないものが好きという変わり者の集まりだから、評価が固まらないのも当然かもしれない。逆に五大プログレはマニアだけでなく一般のロック・ファンにも浸透したバンドであると言える。
同時期、すなわち1970年前後に活動を開始したプログレッシヴ・ロックで思いつくのは、ジェントル・ジャイアント、カーヴド・エア、ルネッサンスなどであるが、私はさほど聴いたことがない。
もっともプログレッシブ・ロックであるかどうかというのは後の時代における評価であって、当時はそのような概念はなかったように思う。ディープ・パープルの初期はプログレッシブ・ロックである。クイーンの英語版ウィキペディアにはジャンルとしてプログレッシブ・ロックが挙がっている。

ロックの定義と同じく、やはりこれも聴く者がプログレッシブ・ロックだと思えばプログレッシブ・ロックなのである。

余談だがウィキペディアでプログレッシブ・ロックの項目を見てみると六番手としてジェントル・ジャイアントが挙げられている。おそらくジェントル・ジャイアントのファンが他のプログレ・ファンの了解を得ずに書き込んだに違いない。ウィキペディアが信用できないのはこれである。プログレ・ファンの総意ではないことははっきりさせておきたい。
大事なことを書いておく。プログレ初心者に対してジェントル・ジャイアントを薦める人の話は信用してはならない。

ともかく六番手が何かという定評がないのは確かであるが、個人が六番手を決めるのは許される。
私はキャメルを挙げる。
キャメルは1973年2月28日にアルバム「Camel」でデビューした。世代的には五大プログレの少し後である。デビュー後の詳しいことはバイオグラフィーに書いた。
プログレの特徴はいくつかあるが、壮大な展開と変拍子を多用したテクニカルな演奏ということであればキャメルはそれを満たす。

キャメルはアルバム「ミラージュ」でそのスタイルを確立する。

ディスコグラフィに次の通り書いた。
邦題「蜃気楼」。このアルバムで現在のキャメルにも通じるオリジナリティが確立される。オルガン、メロトロン、フルートを導入し、各パートが複雑に絡み合い、スリリングかつファンタジックなキャメル・サウンドを聴くことができる。名曲"LADY FANTASY"を収録。

自分で書いた文章だが、このアルバムの特徴を端的に表している。

アルバムは全ての楽器がユニゾンで動く「フリーフォール」で幕を開ける。ラーズ・ウルリッヒによればこの曲はヘヴィ・メタルである。
続く「スーパーツイスター」は何拍子かよく分からないインストゥルメンタル。
次の「ニムロデル/ザ・プロセッション」は緩急の差が激しい9分の大曲。
LPならばB面の最初に相当する「アースライズ」は中間部の疾走感が楽しいインストゥルメンタル。
そしてラストの「レディ・ファンタジー」は12分の大曲でキャメルを代表する佳曲である。ハロウィーンやガンマ・レイ、つまりカイ・ハンセンはプログレッシブ・ロックにも造詣が深かったであろうと想像するが、ガンマ・レイの「ヘディング・フォー・トゥモロー」はまさに「レディ・ファンタジー」に似た静かな中間部を持つ楽曲である。しかしガンマ・レイのそれは飽きる。キャメルのこれは飽きない。叙情的なギターのメロディが飽きさせない。警告音のような三拍子のキーボードに四拍子のギターとドラムスが重なる印象的なイントロ。オーソドックスなボーカルパートの後はスリリングなギター・ソロ。そして先に書いた叙情的な中間部。そして激しいクライマックス。

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