ロックとは何か

よく訊かれるのは「ハード・ロックとヘヴィ・メタルの違いは何か?」ということである。ハード・ロックを好んで聴く者はヘヴィ・メタルも聴くので区別などなくてもいいのだが、よく訊かれる。答は人によって異なる。私は「ボーカルが中心なのがハード・ロック、ギターが中心なのがヘヴィ・メタル」と答えるようにしている。異論はあるだろう。私も違うと思う。この答が良いのは、ボーカルとギターのどちらが中心なのかは、主観によるものなので、実際には区別できていない点である。この場合、訊ねた方が自分なりにボーカルとギターのどちらかを判断することができるため一応、納得を得られる。

ハード・ロック、ヘヴィ・メタル以前に「ロックとは何か」を問いたい。
さて「ジャズとは何か」については明確な答がある。プレイヤーまたはリスナーが「これはジャズだ」と思えば、それはジャズなのである。タモリが「ヨルタモリ」でそのようなことを言っていた。
老人が「ジャズはうるさい」と言う。よく訊くと「ビートルズはうるさい」ということらしい。うるさい音楽はジャズと捉えている節がある。つまりそれはジャズである。
私はロックも同じ定義でいいと思う。演る側、聴く側がロックだと思えばそれはロックである。それを他人がロックではないとは言えない。
ハード・ロック、ヘヴィ・メタルも同様の定義で何の問題もない。

一応の答えが出たところで別の観点から「ロックとは何か」を考える。
ロックの演奏に使用される最小限の楽器は、ギター、ベース、ドラムスである。
ボーカルはなくてもよい。インストゥルメンタルという歌のないパターンもある。
ベースも不要かもしれない。ドアーズにはベーシストがいなかった。キーボードが低音部分も演奏していたからだ。またスラッシュ・メタルのようにギターの音が高密度である場合、やはりベースは不要かもしれない。私はメタリカの「アンド・ジャスティス・フォー・オール」にはベースが入っていないと少し疑っている。
キーボード・トリオという形態がある。キーボード、ベース、ドラムスという、ギターの代わりにキーボードが入るケースである。エマーソン、レイク&パーマーがこのパターンである。となれば、もはやギターも要らない。
残るはドラムスである。
指揮者の黛敏郎が「ロックは打楽器がうるさい。なぜあんなに音が大きく音数が多いのか」みたいなことを言っていた。「題名のない音楽会」であったと思う。
逆である。ドラムスがあるからロックなのである。ロックにドラムスは欠かせない。
ロックとはドラムスが大音量で音を出す音楽である。

ほーら、誰も納得しない。

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[2015-03-21]

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