ベスト盤を定義する

福山雅治のベスト盤が発売されるそうだ。3枚組で46曲が収録される。
ベストが46曲もあるらしい。甚だ違和感がある。
私の感覚ではベスト盤は通常は10曲、多くても20曲である。アルバムを10枚出していればそれぞれ1曲か2曲を選んで15曲、というのが相場であるような気がする。
調べると福山雅治のオリジナルシングルは31枚、オリジナルアルバムは11枚。46曲は、シングルよりも多く、アルバム当たり4曲を超える。
46歳だから46曲を選んだにしても、甚だ違和感がある。
先日のドリカムのベスト盤も3枚組だった。甚だ違和感がある。

私なりの「ベスト盤」を定義してみる。
(a)オリジナルアルバムを5枚以上または楽曲を50曲以上、発表していなければベスト盤を発表してはならない。
(b)ベスト盤の曲数は発表した楽曲数の1割を超えてはならない。
(c)そのミュージシャンが選ぶ「ベスト」であればよい。

もしこれに合致しないアルバムがあればそれは「ベスト盤」ではなく「抜粋盤」である。シングル全曲ならば「全曲集」である。
(c)については一般の人の評価は関係ない。だから矢沢永吉のベスト盤はあってもよい。

ただ昨今のデジタル音源で楽曲単位での販売形態が一般的になっている状況を考えるとはたして「ベスト盤」とは何なのかという別次元の問題が生じるが、それは別の機会に譲る。

理想としてはキャリアが終わってから発表するのが「ベスト盤」であるが儲けるのが目的なのだからこれを定義の一つとするのは無理だろう。
世界で最も売れたベスト盤はイーグルスの「グレイテスト・ヒッツ」らしいが、彼らの楽曲で最も有名だと思われる「ホテル・カリフォルニア」が収録されていない。それ以前のベスト盤だからである。

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[2015-11-13]

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