ロックンロールとは何か(Led Zeppelin IV - Led Zeppelin)

先日、仙台に出張した友人Tからメールが来た。「駅で面白いものを撮った」と写真が添えられていた。それは発車標であった。
一つは石巻行き、もう一つは利府行き。
何が面白いか。

2011年3月11日の東日本大震災では石巻も被災した。この手の「イベント」で必ず顔を出すのが内田裕也で、そのとき彼はこう言った。
「石巻はロックとロールだからロックンロール」
たしかに彼ならば言いそうな言葉だと思う。「6月9日はロックの日」と言い出したのも彼だと思う。
というわけで「石巻はロックンロール」である。
ロックンロールに付き物なのは、ギターで繰り返し演奏されるフレーズである。これをリフレイン、ロックではリフと呼ぶ。
というわけで「利府はリフ」である。
ロックに関係する二つの言葉、地名が一つの発車標にまとまっているところに面白みがある。
確かに、ほかにロックに関する地名は思い付かないから、かなり貴重だと思う。

ここに彼に無断でその写真を貼っておく。

さてロックンロールとは音楽の種類である。
ロックンロールとは何か。学生のときアメリカ人の英語教師は「今はロックンロールはなく、全てロックと呼ぶ」と言っていた。「いやいや本場アメリカ人が言うから正しいとは思わんぞ。確かにロックンロールという種類の音楽があるぞ」と誰かが反論する。
これも「ロックとは何か」と同じで正解はない。聴く者がロックンロールだと思えばロックンロールである。

次に表記について考える。正式には「rock and roll」と書くらしく、これならば「ロック・アンド・ロール」と読むべきだが、そんな読み方をする人に会ったことがない。内田裕也の「ロケンロール」がこれに近い。「rock ’n’ roll」ならば「ロック・ン・ロール」である。面倒なので「ロックンロール」と書く。

音楽は便利なジャンルで正式な定義がなくても話が通じる。「例えばこんな曲だよ」と聴かせれば充分である。
では何を聴かせるか。
「ロックンロール」という曲があればいいが、そのものズバリのタイトルは意外と少ない。曖昧な記憶によれば私が思いついたのは一つだけだった。
ビートルズのそれは「ロックンロール・ミュージック」である。「ロックンロール」ではない。
ジョーン・ジェットのそれは「アイ・ラブ・ロックンロール」である。これも「ロックンロール」ではない。
話がでかいのはディオの「キング・オブ・ロックンロール」。
AC/DCには「ロックンロール」を含む曲がいろいろあるがそのものズバリはない。

私が思いついたのはレッド・ツェッペリンの「ロックンロール」であった。
私がロックンロールとは何かと言われたら、この曲を思い浮かべる。
ツェッペリンには緻密な面と奔放な面があって、後者の代表がこの曲だといえる。ロックンロールのフォーマットに沿った曲にロバート・プラントが叫びまくる。
一方で、緻密な面もあって、例えば、イントロの短いドラムス・パート。通常は両手をクロスさせて左手でスネア、右手でハットを叩くが、パワフルに演奏するため、この部分だけは左手でハット、右手でスネアを叩いているらしい。これが本当ならば緻密な計算といえるだろう。
しかし、ジョン・ボーナムはロックの世界でも屈指のパワフル・ヒッターであり、それが力の都合で左右を入れ替えるなどということをするはずがない。単に叩きやすかったというのが真相だと思う。

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