「ピンク・バブルズ・ゴー・エイプ」、「カメレオン」という問題作を続けて発表してしまったハロウィーンはボーカルのマイケル・キスクを追い出し、代わりにピンク・クリーム69のアンディ・デリスを迎える。
そして最初に発表したのがアルバム「マスター・オブ・ザ・リングズ」である。
スピード・チューンが蘇り、ユーモラスでメロディアスな楽曲が揃い、ハロウィーン復活を印象付けたアルバムとなった。
歌の上手さだけであればマイケル・キスクの方が上であろう。アンディ・デリスはまず声が変である。しかしそこそこ音域は広く、ハロウィーンの初代ボーカルのカイ・ハンセンの変な声に慣れていたからか、アンディ・デリスを否定するファンは少なかったように思う。何よりアンディの作曲能力がハロウィーンに持ち込まれたことが大きい。
ハロウィーンは、ギターのマイケル・ヴァイカートがほとんどの曲を書いていたが、マイケル・キスクが参加するようになり劣化した。アンディの加入をボーカリストの交代ではなくソングライターの交代と捉えると、このときのメンバーチェンジの重要性が理解できる。
Master of the Rings - Helloween
[2016-08-25]
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