「ノー・シンセサイザー」とアルバム・ジャケットに表記していたのは、アイアン・メイデンだったかもしれないがクイーンだった気もする。
クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」について「デジタル技術のない時代にこれほど複雑な曲を彼らは作りあげた」という評価が一般的である。
しかし、デジタル技術のある時代にこれほど複雑な曲を私は聴いたことがない。
この曲はアルバム「オペラ座の夜」に収録され、シングルカットもされた。
6分に及ぶ長い曲で四部構成になっている。
第一部はコーラス。第三部のコーラスがクローズアップされるが、ここもメンバー全員が歌えるクイーンでないと無理なパートだ。
第二部はバラード。フレディ・マーキュリーが殺人の告白について歌う。
ギターソロを挟んで第三部はオペラティックなパート。ここをどうやって録音したのか、想像がつかない。各メンバーが歌っているはずだが、何重にも声が重なっている。非常に重厚だが、ストリングスなどは使われていないように思われる。
第四部はハードロックから叙情的なエンディング。
アルバムを通して聴くと「ボヘミアン・ラプソディ」以外にも実験的な曲が多いことに気付く。プログレッシブ・ロックと呼んでも差し支えない。
なおウィキペディアではクイーンの日本語版ではジャンルとしてプログレッシブ・ロックが挙げられていて他にも聞いたことがないジャンルも挙げられている。「スタジアム・ロック」とは何なのか。その点、英語版はすっきりしていて「Rock」となっている。これで充分だと思う。
[2016-03-07]
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