The Dark Side of the Moon - Pink Floyd

ピンク・フロイドを最初に聴いたのはアルバム「鬱」が出た頃で、アルバム「狂気」だったように思う。
ピンク・フロイドのアルバムの邦題は秀逸である。
「狂気」の原題は「ザ・ダークサイド・オブ・ザ・ムーン」である。「月の暗い側」である。太陽の当たっていない側という意味なのか、地球から見た裏側なのか。未だに不思議に思うのは、月は地球の周りを回っているが常に同じ面を地球に向けていることだ。公転周期と自転周期が同じということである。偶然なのか必然なのか。いずれにせよ、月の裏側はどうなっているのか、地球からは見えない。何かが住んでいるのではないか、というような空想が生じることは理解できる。
「月の裏側とは彼岸のことである」という指摘を何かで読んだことがある。死後の世界があるというのである。これも理解できることであり、おそらくピンク・フロイドのスタンスもこれだと思う。そして邦題の命名者がここまで深読みした上で「狂気」と名付けたとすれば感嘆するしかない。

五大プログレの中で最も実験的であったのがピンク・フロイドだと思う。例えば生活音の利用だ。アルバム「原子心母」にはベーコンを焼く音が収録されている。
アルバム「狂気」に収録された「マネー」にはレジスターの音が使われていてパーカッションとして機能し、曲の中枢となっている。
マネーについて歌おうとしてレジスターの使用を思いついたのか、レジスターの音からマネーを思いついたのか、と、このような想像が楽しめるのもピンク・フロイドの面白さである。

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[2015-12-17]

Pink Floyd,1973年

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