No Parole from Rock’n’ Roll - Alcatrazz

アルカトラズとはサンフランシスコの沖合にある島でかつては刑務所があった。潮の流れが激しく脱獄は不可能と言われた。映画「ザ・ロック」の舞台となった。
レインボーを脱退したグラハム・ボネットは自らをリーダーとするバンドを結成する。そのバンドがアルカトラス。こちらは日本では、なぜか「ス」が濁らない。
「高音なのに、がなり声」という唯一無二の声、歌唱法を持つグラハムは元々はポピュラーソングを歌うつもりだったらしい。しかし現実はそうではなかった。ソロ活動していた頃の「ビー・マイ・ベイビー」のカヴァーを聴くと普通のアレンジで普通に歌っているのだが、パワーがありすぎてハードロックになってしまっている。
この声に目を付けたレインボーのリッチー・ブラックモアが自らのバンドのボーカルにスカウトしてアルバムを一枚、録音した。しかしリッチーがハードロックらしく「長髪にしろ」と命じても無視し、金髪のリーゼントを通し、ライブではサングラスをかけ、白いジャケットを着ていた。声はハードロックでも気持ち、姿勢は違ったのだろう。
ところが自らのバンド、アルカトラスはハードロックだった。1stアルバムのタイトルは「ロックンロールからの仮釈放はない」でアルカトラス刑務所にひっかけたもの。オープニングの「アイランド・イン・ザ・サン」からラストの「サファー・ミー」までバラエティに富んだ曲が並ぶ。広島原爆投下を歌った「ヒロシマ・モナムール」も素晴らしい。どれもグラハムの絶叫全快で、ポップなのにハードという傑作になっている。
ギタリスト、イングヴェイ・マルムスティーンの出世作としても知られる。

関連記事

[2014-06-13]

Alcatrazz,グラハム・ボネット,イングヴェイ・マルムスティーン,1983年

The Final Countdown - Europe | Master Of Puppets - Metallica

©2014-2020You Look Too Cool