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春分の日と秋分の日
そろそろ、来年のカレンダーを準備しようと思うのだが、最近は不景気なのか、なかなかカレンダーをもらう機会が少ない。かといって買うのもばからしい。今はカレンダーのシーズンなのか、本屋や文房具屋ならずとも、いろいろなところでカレンダーが売られている。自分の好みのカレンダーを金を払って求めるのである。私はほしいと思わない。ただの数字の羅列に、写真や絵がくっついたものをカレンダーと呼ぶならば、実際に必要なのは数字の羅列であり、写真や絵の部分は(数字の羅列の付いていない)ポスターでよいだろう。
ということで、もう何年も前から私はカレンダーはパソコンで作っている。絵や写真などいらない。数字の羅列はパソコンの得意とするところである。
さて、パソコンでカレンダーを作るときのネックは祝日である。日にちと曜日だけは比較的簡単に作ることができるが祝日はちょっと面倒だ。しかしできないことはない。ただし、春分の日と秋分の日だけは別だ。これらだけはあらかじめ決めておくことができないのである。
さて、そもそも祝日とは何か。「国民の祝日に関する法律」というのがある。よく「祝祭日」などというが法律的には「祝日」である。「祝日と祭日の違いは?」などという質問に対しては「祭日などない」と答えればよい。
国民の祝日に関する法律
第一条 自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞつて祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを「国民の祝日」と名づける。
第二条 「国民の祝日」を次のように定める。
元日 一月一日 年のはじめを祝う。 成人の日 一月の第二月曜日 おとなになつたことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます。 建国記念の日 政令で定める日 建国をしのび、国を愛する心を養う。 春分の日 春分日 自然をたたえ、生物をいつくしむ。 みどりの日 四月二十九日 自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ。 憲法記念日 五月三日 日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する。 こどもの日 五月五日 こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する。 海の日 七月の第三月曜日 海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う。 敬老の日 九月の第三月曜日 多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う。 秋分の日 秋分日 祖先をうやまい、なくなつた人々をしのぶ。 体育の日 十月の第二月曜日 スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう。 文化の日 十一月三日 自由と平和を愛し、文化をすすめる。 勤労感謝の日 十一月二十三日 勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう。 天皇誕生日 十二月二十三日 天皇の誕生日を祝う。 第三条 「国民の祝日」は、休日とする。
2 「国民の祝日」が日曜日にあたるときは、その翌日を休日とする。
3 その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(日曜日にあたる日及び前項に規定する休日にあたる日を除く。)は、休日とする。
確かに春分の日と秋分の日ははっきり何月何日とは書かれていない。春分の日は「春分日」だという。説明になっていないが、これは次を読めば分かる。「国立天文台・天文ニュース(413)」によれば次のとおり。
毎年2月1日には、総理府が、翌年の国民の祝日、休日の正式発表をおこなっていました。今年は省庁の再編がありましたので、その発表は内閣府がおこない、2002年の祝日・休日を示した「暦要項」が財務省発行の官報に掲載されました。
祝日の中で、年によって日付が変化する「春分の日」、「秋分の日」が多くの人の関心を呼びます。2002年は「春分の日」が3月21日、「秋分の日」が9月23日です。この発表によって翌年の国民の祝日・休日の日付が正式に決定されるのです。しかし、明後年以降はまだ確定していません。それでも、もっと先の春分、秋分の日の日付を知りたいという一般からの希望は非常に強く、国立天文台にはその問い合わせが後を絶ちません。
上記のように、国民の祝日としての日付が確定するのは一般に前年の2月1日ですが、春分、秋分の瞬間は、もともと、太陽の位置という天文学的な条件で定まります。したがって、その瞬間を含む日である春分日、秋分日は、かなり先まで計算ができます。春分日、秋分日は、いうならば、国民の祝日である「春分の日」、「秋分の日」の見込みの日、予定日に当たります。1993年の「理科年表」には、今後、2015年までの春分日、秋分日が以下のように示されています。
年 春分日 秋分日 2003年 3月21日 9月23日 2004年 3月20日 9月23日 2005年 3月20日 9月23日 2006年 3月21日 9月23日 2007年 3月21日 9月23日 2008年 3月20日 9月23日 2009年 3月20日 9月23日 2010年 3月21日 9月23日 2011年 3月21日 9月23日 2012年 3月20日 9月22日 2013年 3月20日 9月23日 2014年 3月21日 9月23日 2015年 3月21日 9月23日 2012年の秋分日が9月22日であることに注意してください。念を押しますが、この日付は天文学的計算による日付で、正式に決定した「春分の日」、「秋分の日」ではありません。また、将来の春分日、秋分日は、「うるう秒」の入り方によって日付が変わる可能性がありますから、あまり先まで計算することは、本質的に不可能といえます。
つまり「春分の日」と「秋分の日」は前年の2月1日にならないと決まらないのである。そして「春分の日」と「秋分の日」は国が決める日で「春分日」と「秋分日」は科学的に決まる日である。科学的には分かっていても国が決めないと決まらないのである。
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