Tormato - Yes

CDを買うとライナーノートと言われる解説書が付いていた。海外のアーティストの情報はこの解説書くらいでしか得られなかった。
そのうちCDは輸入盤を買うようになる。プラスチックケースは粗悪でCDを固定する部分は何度か使うと壊れ、酷いものは買ったときから壊れていて、CDがケースの中でカタカタ揺れることがあった。
解説書が付いているのは日本盤だけで輸入盤にはなかった。
輸入盤しか買わなくなると情報源は音楽雑誌「Burrn!」のみになり必然的にこの雑誌に載らないバンドは聴くことはない。だから私はオアシス、レディオヘッドなどの有名なバンドを聴いたことがない。

一方でインターネットで調べれば色々な情報が即座に分かるようになった。情報が多すぎるのが嫌で調べるのが面倒になったので、このブログを書くようになった。
しかし今回は調べてみた。

イエスの「トーマト」である。トマトのことだろうが、原題は「Tormato」で綴りが違う。正しくは「Tomato」である。
ここでウィキペディアの登場だ。
イギリスに「Tor」というのがあるらしい。山頂にむき出しになった岩があり、これをTorと呼ぶ。中にはいくつか重なったものがあって人間が積み重ねたとしか思えない形状である。ちょうど「トーマト」のジャケットの左に写っているのがそれだ。
しかし自然にできたものらしい。どうやら硬い地層、柔らかい地層が交互に重なって、地殻変動によって切り出されるように突出し、柔らかい地層だけが取り除かれてできるようだ。
また「Yes Tor」と呼ばれる岩が実際にある。これをアルバム・タイトルに採用する予定だったが、岩を見たイエスのスタッフが「潰れたトマトのようだ」と言ったのを採用して「Tormato」になった。
要するにダジャレであった。

アルバム・ジャケットはバックに前述のTorを含む岩山、中央にドラム・スティックを構えた男が写る、青みがかったモノクロ写真の上に潰れたトマト、という図で、ヒプノシスの作品である。

このアルバムでは「ドント・キル・ザ・ホエール」と「リリース・リリース」が素晴らしい。実はこの曲を最初に聞いたのはイエスへのトリビュート・アルバムだった。これらの曲が気に入ってこのアルバムを買ったと言ってもいい。イエスはキャリア前半の絶頂期と復活以降しか聴いたことがなかった。聴くとさほど悪くないどころか、冗長な部分が少なく、佳曲が多いことが分かった。

ボーカルのジョン・アンダーソンはこのアルバムを最後に脱退する。

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