Rumours - Fleetwood Mac

フリートウッド・マックは、ドラムスのミック・フリートウッドとベースのジョン・マクヴィーを組み合わせたバンド名である。元々はブルーズで人気を博した。
その後、メンバー・チェンジを行い、バンド名の二人以外は全て入れ替わった。その結果、ブルーズとは縁のないポップ・ソングのバンドとなった。
ジョン・マクヴィーの妻であるクリスティン・マクヴィーがキーボードとして加入した時点で怪しい。ボーカルのスティーヴィー・ニックスとギターのリンゼイ・バッキンガムが加入した時点で更に怪しい。この二人は恋人同士であった。つまりフリートウッド以外は私生活をバンドに持ち込んでいた。
そのようなバンドは絶対に成功しないものだが、フリートウッド・マックだけは成功した。このアルバム「噂」は年間チャートのトップだったはずだ。もはやブルーズ・バンドだと思うファンはいない。
バンド名の二人以外の三人は歌える。これがフリートウッド・マックの最大の特徴であろう。このアルバムにも三人がそれぞれリード・ボーカルを担当した曲が収録されている。後に三人はそれぞれソロ・デビューする。それほどボーカルに恵まれたバンドであった。
クリスティン・マクヴィーのオーソドックスな女声、リンゼイ・バッキンガムのオーソドックスな男声、そしてスティーヴィー・ニックスの良く言えばハスキー・ボイス、悪く言えばだみ声。三人が歌えるだけでなく三人三様の声で、とりわけスティーヴィー・ニックスの意外性が、この時期のフリートウッド・マックの切り札であった。
意外性。ジャケットにも写っているが、スティーヴィー・ニックスは小柄で少女のようなルックス。しかし声は全く少女らしくない。先に三人がソロ・デビューしたと書いたが、最も成功したのはニックスである。私は彼女のソロ・アルバムを三枚持っている。ニックスは一九四八年生まれ、「噂」が発表されたのが一九七七年だから、この時点で既に二十九歳であった。

アルバムは全曲が素晴らしい。後にフリートウッド・マックのトリビュート・アルバムが発表された。通常、トリビュート・アルバムはそのバンドのヒット曲を様々なバンドが演奏するものだが、フリートウッド・マックに関しては全く異なる。そのトリビュート・アルバムはアルバム「噂」の全曲を採り上げた。それほど、このアルバムの人気、完成度が際立っているということだろう。

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[2014-10-19]

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