Never Mind - Nirvana

今年の新入職員はニルヴァーナのファンだという。私がヘヴィ・メタルのファンだと聞いて、ニルヴァーナのファンではないかと思ったらしい。新人歓迎会の二次会の席上で彼女は私にそのようなことをいった。私は「ヘヴィ・メタルのファンはニルヴァーナが嫌い、というか聴かない人が多いよ」というと彼女は残念そうな顔をした。逆に私が彼女にヘヴィ・メタルを聴くかと訊ねると、聴かないという。やはりなと思った。
次の日、私は早速,買いに行った。つい最近、ヴォーカル兼ギターのカート・コバーンが亡くなり、話題になっていた。良いか悪いかは別にして、聴いておくべきサウンドであると以前から思っていた。ちょうどいい機会かもしれない。
一曲目の「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」がかなり有名らしい。やや歪んだギターで始まり、ヘヴィなギターのリフが続く。ギター、ベース、ドラムスのいわゆるスリー・ピースのサウンドである。音の厚みはないが重さがある。F-A#-G#-C#というコード進行を延々と続ける。すると突然ベースと単音のギターになって歌が入る。そしてサビでまたイントロと同じコード進行。動と静の差が激しい。静かなヴァースとうるさいコーラス。
明らかにヘヴィ・メタルとは違う。最近のヘヴィ・メタルはギターはたいてい、二本である。ブラック・サバスのようなギタリストが一人しかいないバンドでも重ねてレコーディングしている。ニルヴァーナはそうではない。ギターは一本だ。そのかわりベースラインがかなり激しく動き、隙間を埋めている。今時、レイヴン以外にスリー・ピースのヘヴィ・メタルが存在するのか。存在しないだろう。ベースが動き回りすぎるとヘヴィ・メタルではなくなる。
スリー・ピースはボーカルが全てだ。カート・コバーン亡き後このバンドは終わりだ。
なお、このアルバムの13曲目にボーナス曲が収録されている。それは12曲目の後に約10分の間をおいて録音されている。こんなの許されていいのかという感じだ。おもしろいアイデアだとは思うがどうも許せない。ところでこれをボーナス・トラックと言っていいのか。12曲目と同じトラックに入っているからトラックと呼ぶのは違う気がする。

追記
カート・コバーンの死は実は自殺だったという。猟銃で頭を撃ったとか…。あまりに売れすぎてしまったことに悩んでいたそうだ。

※1994年に書かれた記事です。

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[2025-05-06]

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