Alpha - Asia

友人から「エイジアがYahoo!のトップニュースに載っている」とメールが来た。「プログレの再評価につながったエイジアのアルバム『ASIA』」という記事。今のエイジアではなく結成時のエイジアのレビューである。

プログレの再評価につながったエイジアのアルバム『ASIA』

色々と思うところがある。
まず「プログレの再評価」はない。プログレのアーティストが普通のロックをやればやはり売れる、と認識したのみであり、逆にプログレは売れないのだと落胆したのである。
そしてスティーブ・ハウのこのアルバムに対する貢献についての記載がない。エイジアの楽曲のコアな部分はキーボードのジェフ・ダウンズが担っているが、ドラマティックな部分、プログレらしい部分はハウの貢献が大きい。実際、彼が脱退した後、エイジアは「エイジアらしさ」を失う。
エイジアのセカンド・アルバムは「アルファ」である。タイトルがaで始まりaで終わるスタイルはこの後も続く。

ヒット曲「ドント・クライ」がオープニング。
ジョン・ウェットンのドラマティックな歌唱が冴え渡るバラード「スマイル・ハズ・レフト・ユア・アイズ」。全体を見渡しても前作と比べてバラードが多くロックらしさが後退したと言える。
一方でロックらしさが爆発した曲もある。「ザ・ヒート・ゴーズ・オン」である。ファースト・アルバムのオープニングが「ヒート・オブ・ザ・モーメント」であった。プログレ畑のミュージシャンがポピュラーなロックを演奏するとこうなるという姿勢を示した曲であった。「ヒート」という同じ単語を持つ「ザ・ヒート・ゴーズ・オン」もやはりプログレらしさを示した名曲である。特にここで披露されるキーボード・ソロはロック全体でも最高レベルの演奏である。単音のメロディで始まり、徐々に複雑さを増し、終盤は複音を駆使するという、意欲的な構成は、この部分だけを繰り返し聴いても飽きさせない。

関連記事

[2018-08-06]

Asia,1983年

Uriah Heep ディスコグラフィ | Physical Graffiti - Led Zeppelin

©2014-2020You Look Too Cool