Hysteria - Def Leppard

ハード・ロックの究極の一つがデフ・レパードの「ヒステリア」であろう。何が究極か。過剰なまでの音作りにおいて、である。
例えばオープニングの「ウィミン」を聴いてみる。スロー・テンポなのでじっくり聴くと色々な工夫が分かってくる。ありとあらゆるところにキーボードと思われる音がいくつも重ねられている。コーラスも然り。
過剰に増幅されたドラムスは通常のドラムスであろうか。特にバスドラムの響きはエレクトリックではないかと思われる。
このような、やり過ぎとも言えるサウンドがアルバム全編を覆っているのである。
アルバムをプロデュースしたのはジョン・マット・ラングである。「ラング」を「ランジ」と表記しているウェブサイトがある。「Lange」だから確かに「ランジ」となりそうだがウィキペディアによれば「ラング」が正しいらしい。
彼はAC/DCの「ハイウェイ・トゥ・ヘル」のプロデュースで頭角を現し、デフ・レパードには「ハイン・ドライ」から関わっている。「パイロマニア」のプロデュースでは、さほど凝った音作りはしていなかったが、この「ヒステリア」ではオーバープロデュースとも取られかねないプロデュースを行った。
そして売れに売れた。ポピュラー・ミュージックのレベルで大ヒットとなった。
ハード・ロックのフォーマットでありながらこれだけ大衆に浸透したのはラングの華やかな音作りによるものが大きい。ひょっとすると大半の音楽ファンはこのアルバムをハード・ロックだと思って聴いていなかったのではないかと思われる。
とは言え、この音作りがないと成立しないかというとそうではない。それを差し引いても完成度は高いのである。
私の持っているアルバムにはラストの曲「ラブ・アンド・アフェクション」の次にボーナストラックとして「ラブ・アンド・アフェクション」のライブ演奏が収録されている。つまり重厚なサウンドとシンプルなサウンドを聴き比べることができる。

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[2017-05-04]

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