あの「大改築」で不祥事

多摩中央テレビ制作の「大改築ホコタテ」で前代未聞の不祥事が発覚した。
この番組は何らかの事情で住みにくい一軒家を「カリスマ」と呼ばれる建築士が設計し、改築する様子を克明に追いかけるドキュメンタリー。「絶対に改築できない一軒家」と「絶対に改築する建築士」の対決が見どころになっている。
登場する一軒家は一筋縄ではいかないものばかり。「脱衣場のない浴室」などは当り前で「台所にあるトイレ」、「寝室にあるエアコン室外機」など理解し難い状況が実在する。
今回、発覚したのは、このように奇妙な一軒家を番組サイドが人為的に「建築」してしまった問題である。東京都内に格安の更地を見付け、番組サイドの大道具スタッフが一週間がかりで「建築」、家族はお互い赤の他人の俳優を起用した。
こうして作られた一軒家は「二階にある玄関に梯子で登る家」という突拍子もない物件。ありえない一軒家がウリのこの番組においても、この物件はあまりに不自然。番組に問合せが殺到、応対したスタッフが「大道具さーん!視聴者から電話!」と叫んだ声が聞こえてしまい、これがきっかけで不祥事が発覚した。
多摩中央テレビは、これを受け「徹底して調査を行い、今後、同じような問題が起きないよう取り組みたい」と発表した。
また、過去の番組では、建築会社や工務店などの専門家ではなく、大道具スタッフが「大改築」したケースもあり、この点も追及される見込みだ。
なお、今回は「大改築」により玄関が一階に移され問題は解決し、その模様は番組内で放送されたが、元は大道具スタッフが突貫工事で作ったため、放映されない箇所は屋根が省かれている。番組では「屋根がない家」としてあらためて別の家族、別の建築家による「大改築」を行い、放送する予定。

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[2013-08-05(Mon)]

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