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アブトロニック

アブトロニックという商品が売れている。これは、一種の健康器具である。ベルト状のものを腹に巻きスイッチを入れると、電極から電流が流れて、腹部の筋肉を強制的に収縮させる。つまり、通常の腹筋運動は、脳から腹部の筋肉に命令を送って運動をさせるのに対し、その脳からの命令を機械に肩代わりさせるというわけである。理屈としては、正しい。私が大学生のとき、大学の体育の先生が「効き目があるのは間違いない」といっていた。つまり、もう10年以上も前からこの手の商品は存在した。もっとも、その先生はこうもいっていた。「でも、腹筋運動をやったほうが手っ取り早いよ」
この健康器具が最近、急に売れ出したのは、ただの腹筋運動よりも効果が高いように改良されたためだろうか。
このアブトロニックは、アメリカからの輸入品であり、なぜ、こんなに売れたかというと、テレビの通信販売番組の影響によるところが大きいと思われる。通信販売の番組を見ていると、同じ商品の説明を何度も何度も繰り返し、場合によっては、30分も同じ製品の宣伝をしていることがある。これで、効くように思い込まされているのである。事実、私は思い込まされている。
通信販売では、9800円となっている。送料は別なので1万円ちょっとということになろう。同じ商品が、オリンピックという量販店では9000円で売られていた。あまり安くなっていない。今は、これが相場なのだろう。もう少しして、飽きられるともっと安くなるはずだ。
この手の商品はまねるのも簡単だから、類似商品が多数出回っていて、5000円程度のものもある。仕組みは単純だから、これはこれで効果があると思う。
不思議なのは、高級品もあるということだ。東急ハンズの健康グッズ売り場に行くと、アブトロニックと同等の商品も売られているが、さらに高級品、3万円以上もする商品が売られている。「最新型が入荷しました」なんて書かれている。こんなもの、最新型も何もないだろうと思うが、実際に売られているのが不思議だ。何が違うのだろう。
逆にとんでもないまがい物もある。東急ハンズの同じコーナーで見たのだが、形状はもっと単純でやはり腹に巻くのだが、機械自体は万歩計のような感じ。どういう仕組みかというと、普段は腹を引っ込めておく。それが油断して緩むと、信号が出て注意を促す。それでまた腹を引っ込める。木綿の糸で腹を縛っておくのと同じじゃないかと思う。まあ、目的は同じだが、仕組みがまったく違うから、まがい物というのには語弊があるか。

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[2002-04-11]

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