Fantôme - 宇多田ヒカル

2016年9月に発表された、宇多田ヒカルのニューアルバム「ファントーム」が売れているらしい。
全米のiTunesチャートで6位になったという。にわかには信じがたい。事実だとすると、以前の宇多田の全米進出は失敗だったが、今回は成功したと言える。

宇多田ヒカルは1983年に生まれ2003年に結婚した。二十歳の時である。当時の小泉純一郎首相が結婚のニュースを聞いて「うそー!」と言った場面を覚えている。
松任谷由実は1976年に二十二歳の時に結婚している。
二人とも若くして結婚したと言える。

宇多田ヒカルの唯一の弱点はこの結婚だと思う。結婚以降に発表した、恋愛をテーマにした楽曲の恋愛の対象がこの結婚相手ではないかと想像してしまうのである。
一方、松任谷由実の「恋愛ソング」の相手が松任谷正隆だとは思わない。
私の思い込みに過ぎないかもしれないが、この差は何なのだろうか。

宇多田ヒカルが2016年4月に発表した「花束を君に」はドラマ「とと姉ちゃん」の主題歌でありアルバム「ファントーム」にも収録されているが、この曲は、2013年に亡くなった実の母である藤圭子に宛てた歌だと言われる。つまりは実生活を歌の題材にすることがあるということだ。
一方、松任谷由実は例えばファミリーレストランに行き隣席の男女の話を盗み聞きして歌作りに活かしているという。彼女の歌はどれも具体的で多彩であり一人の女性の人生ではありえない。「恋愛ソング」と上述したのは具体的な恋愛について歌うのではなく、ジャンルとしての恋愛を歌にしているという意味である。

まとめると宇多田ヒカルの恋愛に関する歌は実在の人物を思い浮かべてしまい純粋に感動できないということである。
それは個人の思い込みだと言われるかもしれない。その通り。感動なんて個人の思い込みである。

[2016-10-18]

宇多田ヒカル,2016年

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