Thundersteel - Riot

ライオットは、ギタリストのマーク・リアリが2012年に亡くなって、解散したと思ったが、実は存続していることを最近知った。しかもバンド名は「ライオットV」に変わっている。もっとも日本のレコード会社は前の通り「ライオット」を使っている。となれば一般の音楽ファンがバンド名の変更に気づくはずはない。

ライオットはその歴史を三期に分けられる。
初期はアメリカのバンドながらヨーロッパ的な哀愁のあるメロディアスな楽曲を創出するライオット。
中期はハイトーンを駆使するボーカル、トニー・ムーアを迎え、パワー・メタル、スピード・メタルの極北を切り開くライオット。
後期はパワフルだが叙情的な歌唱もこなせるマイク・ディメオを活かし物語性を前面に出すなど新境地を見せたライオット。
どの場面であってもマーク・リアリのギターがなくては成立しなかったのは事実であり私が既に解散しているだろうと早合点したのもこれが理由である。
一方でマーク・リアリのワンマン・バンド的な色合いの強いライオットに全く別の風を吹き込んだのが、トニー・ムーアである。かつてはオペラ歌手を目指していたという触れ込みであったと記憶している。これが中期ライオットである。

アルバム「サンダースティール」はスピード・メタルの新たな可能性を示した。速いがメロディアス。これを実現するにはマーク・リアリのギターだけでなくトニー・ムーアの卓越した歌唱力が不可欠であった。高音が続くパートでもいわゆる絶叫ではなくメロディをきちんと歌っている。これだけ歌えるボーカリストは少ない。
昨今のメタルにデス・ボイスが多いのは高音をきちんとメロディアスに歌えるボーカリストがいないからである。デス・ボイスは「逃げ」である。
そしてトニー・ムーアだけでなく、このバンドに新たな風を吹き込んだのがドラムスのボビー・ジャーゾンベクである。これほどのテクニシャンがライオットに加入するまで無名だったのが不思議である。彼はライオットを脱退した後、ロブ・ハルフォードやセバスチャン・バックと組むことになる。

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[2016-02-09]

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