ドイツのヘヴィ・メタル・バンド、アクセプトのボーカル、ウド・ダークシュナイダーには二つの特徴がある。
一つはダミ声である。「ダミ声だからヘヴィ・メタルしか歌えない」という評価もあったが、ジョン・ボン・ジョヴィもダミ声であるから、それだけが原因ではない。ルックスの問題である。もっともウドはダミ声具合が尋常ではない。ダミ声で甲高い。
もう一つはルックスにも通じるが、背が低いことである。先日、調べたところ168センチであった。これならばさほどでもないが他のメンバーが高過ぎる。
「2ちゃんねる」には次のようにあった。
「なぜミュージシャンになった?」とか「なぜウドをメンバーに入れた?」などと考えてしまう。
私が出会った最も大きな人間はボブ・サップで200センチだった。見上げるほどであった。ウドは毎日、これに近い感覚で生きていたのだろう。
しかし実際に当時のライブ映像を見るとウドの存在感は驚嘆に値する。やはり小柄なディオと同じように歌唱力、特に地声の大きさが違う。さすがに長身の他のメンバーは見栄えがするがウドも負けていない。
彼らの代表作「メタル・ハート」は1985年に発表された。「メタルこそ我が命」を体現するようなタイトルである。
アルバムは荘厳なギターのメロディーで幕を開ける。私は初めて手に入れた携帯電話の着信音をこのメロディーにしていた。当時「着メロ」などとというものはなく、あっても私が好むような曲はなかっただろう。一方、着信音は自作することができたので、気に入ったメロディーを入力していた。私はタイトル曲「メタル・ハート」のイントロを着信音にしていた。書店にいるときに着信があったが、使い始めたばかりで慣れていないため、懐から取り出すのに時間がかかり、音を止める方法も分からず、静かな店内に延々と「メタル・ハート」のイントロが鳴り響いた。
イントロも印象的だがギター・ソロも素晴らしい。ピアノ曲「エリーゼのために」を使っている。ギタリスト、ウルフ・ホフマンはクラシックに造詣が深く、後にクラシックをロックにアレンジした曲だけを収録したソロ・アルバムを発表している。当時の彼は長身で金髪、二枚目で相当、人気があったと思われる。現在は禿頭である。
ハロウィーンのマイケル・キスクも金髪で今は禿頭であり、ドイツ人にこのパターンは多く、人間はバランスのとれた生き物なのだと思ってしまう。
[2016-01-06]
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