ドン・キホーテで放火

「サンタクロースが本当にいると思っている子供っていやだね」
「何だよ、唐突に。いいじゃないか、夢があって」
「いるわけないじゃないか。子供の頃から、論理的に思考するとか、非科学的なことは否定するとか、そういうふうに教育しないとダメだね。考えれば分かることだよ。じゃあ、君は幽霊の存在を信じるか?」
「僕は信じないよ」
「そうだろ。同じなんだよ、幽霊もサンタクロースも。「恋人がサンタクロース」だなんて論理的に無理がある。クリスマスプレゼントは店で買っているに決まっている。サンタクロースの正体はトイザらスドン・キホーテなんだよ」
「そう言えば、ドン・キホーテが火事になって従業員3人が亡くなったね」
「これがほんとのびっくりドンキー
「それはファミリーレストラン」
「でも、みんな、ドン・キホーテのことを「ドンキ」って呼んでいるよ」
「まあ、確かに「ドン、キホーテ」ではなくて「ドンキ、ホーテ」って発音する人の方が多いね。しかしあの店内の通路の狭さでは逃げるに逃げられないよ」
「刀が振り回せないようになっているらしいな」
「忠臣蔵じゃないんだから」
「放火らしいけど、昔の流通の革命児が今の流通の革命児を妬んで、ということなら話は分かりやすいな」
「分かりにくいよ」


ドン・キホーテ ラ・マンチャの男


バロン

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[2004-12-15(Wed)]

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