書籍

木曾路はすべて山の中である。ページを開く

老人とは存在そのものがサスペンスである。ページを開く

精神的に向上心のないものは、馬鹿だ。ページを開く

拙僧が殺めたのだページを開く

辰弥、これが久野のおっさんの薬や。見てみい、ようきくぜページを開く

なんでもこの向こうの鬼首村という村へ、事件の調査を依頼されてやってきたんですって。ページを開く

それにしても不気味なのはこの村の名前である。八つ墓村。ページを開く

ごめんくださりませ。おりんでござりやす。お庄屋さんのところへもどってまいりました。なにぶんかわいがってやってつかあさい。ページを開く

昭和七年といえば、ぼくは二十で、そのまえの年にいなかの中学を卒業して、上京してきてさる私立大学に籍だけおいて、神田の下宿にごろごろしてたじぶんなんです。ページを開く

隣の加藤か……。俺のとは違うな。ページを開く

その一方で、わたしは人ごみを憎んでいる。行列と渋滞を見下している。座右の銘は「いい人は家にいる」だ。ページを開く

自分の後頭部をサンド・バッグでうまく殴れるような人間なら、まず自殺界の天才というところでしょうね。ページを開く

どうせ生きているからには、苦しいのはあたり前だと思え。ページを開く

感心に、バグリーが手帳を出してせっせとメモしている。この男の長所のひとつがこれで、よくメモをとることだ。短所は後でそれを一度も読まないということだ。ページを開く

大衆は、精神に障害を抱えた芸術家を好む。ページを開く

「意外だよ。無駄なことにエネルギーは使わないかと思ってた」「家族のことは、『無駄なこと』じゃないだろう」ページを開く

自然食を謳う店は、だいたい不味いんです。ページを開く

週に一度、日曜日の午後、僕は電車とバスを乗り継いで医者の家に通い、コーヒー・ロールやアップルパイやパンケーキや蜜のついたクロワッサンを食べながら治療を受けた。一年ばかりの間だったが、おかげで僕は歯医者にまで通う羽目になった。ページを開く

何故放送局にラジオが一台も無いんだ? 犯罪だよ、そりゃ……ページを開く

呑気と見える人々も、心の底を叩いて見ると、どこか悲しい音がする。ページを開く

痛みは時に、人に生きている実感を与えるものである。ページを開く

人生にとって健康は目的ではない。しかし、最初の条件なのである。ページを開く