宅建に独学で一発合格した体験記 – 勉強法と教材選び

2003年の宅地建物取引主任者試験を、独学で受験して合格しました。
このページは、その体験をひととおりまとめたものです。
これから宅建を受験しようとしている人の参考になれば、と思います。

はじめに

2003年(平成15年)の春頃に宅建を受けることを思い付いて、夏頃から勉強を始めました。
そしてその年の10月の試験で何とか合格することができました。

このページは、これから宅建を受験しようと思っている人を励ますつもりで作りました。
私自身、行き詰まったときにこのような合格体験記をインターネットで読んで、励まされました。
「最近、達成感がないなあ」と思っている人に読んでもらえるとありがたいです。

5月

宅建の受験を思い立ちました。

パソコンで宅建の勉強をするソフトを買いました。
どうせいつもパソコンの電源を入れているのだから自然と勉強するだろうと思ったのですが、いつも気が付くとインターネットを見たり、ゲームをしたりしています。
そして、そもそも、このソフトの出来が悪すぎます。
これだけで合格するとはとても思えません。

6月

やはり本で勉強しようと思い、本屋で探しました。
「かんぺき宅建」という本を買います。
一番安いうえ、どうやらこれで勉強するだけで受かるらしいのです。
とても読みやすく、ポイントがまとまっているのですが、どうも、これだけで合格するとは思えません。

そこで、パソコンソフトの中に入っていた過去問題をやってみましたが、やはりできません。
本を見ながらやってもできません。
これではダメです。

7月

勉強せざるを得ない環境に追い込むため、宅建の試験の申込をしました。
まず、願書の取り寄せですが、これは所定の本屋に行けば置いてあります。
インターネットで調べると分かるのですが、所定の本屋というのが結構少ないのです。
私が行った本屋では願書が1通しか残っていませんでした。

願書をもらってきてしばらく放っておきました。
7月の下旬になり、そろそろ申し込むか、と思って試験案内を読むと、締め切りは8月1日だができるだけ7月25日までに差し出せと書いてあります。
不備があったときに間に合わない可能性があるからだそうです。
確かにそのとおりです。
あわてて写真を撮ったり、郵便局に行ったりと面倒でしたが、何とか申し込みました。
持参もできるらしいのですがそんな暇はないので郵送です。
配達記録郵便にせよというのでそれに従いました。
なかなか厳重です。

さて、勉強をそろそろ始めなければならないのですが、何で勉強してよいか、分かりません。

そこで、過去問題集を買うことにしました。
住宅新報社の「10年間の宅建問題集」にしました。
これは過去10年間に実際に出された問題すべてが載っています。
だからこれらが解けるようになればよいわけです。

8月

はがきで「受付票」が届きました。
試験会場が書いてあるだけで受験票ではありませんが、これで願書が受理されたことが確認できます。

毎日2時間位ずつ勉強しました。
子供が邪魔をしに来て大変です。
勉強方法は過去問題集をただひたすら解くというものです。
もっと効率的な勉強方法があるのでしょうが思い付きません。
毎日、過去問題集を解きます。
間違えた問題に印を付けておいて後でまとめて解きました。

9月

過去問題集が一通りできたので予想問題集をやることにしました。
本屋に行き選んでみましたが、やはり住宅新報社の問題集が良さそうなので「宅建予想問題集」を買います。

これが予想外に使いにくいのです。
「10年間の宅建問題集」は問題編と解答編が分かれているので、問題のページを開いて広告の裏にでも答えを書いて後で答え合わせをすればよいのですが、「宅建予想問題集」は問題のすぐ下に解説と正解が書いてあるので答えがすぐに分かってしまいます。
見なければいいのについ見てしまうのです。
私は自分がこんなに弱い人間だとは思いませんでした。
だからページをめくるとすぐに本の下半分を手で隠すという何だか変な方法で勉強しました。

9月の終わりに自主模擬試験を行いました。
本番まであと1か月を切っています。
実は過去問題のうち前年(平成14年)の問題だけやらずに残しておいたのです。
時間を計りながらやって、これで高得点をとって、自信を持って試験に臨もうというわけです。
ところが、さんざんな結果でした。
何と、29点。
ショックだったのは問題を解いている間は自信満々だったことです。
ほとんどの問題に自信を持って解答したのです。
それが全然、合っていません。
合格の基準が35点前後といわれているので、こんな点数ではどう間違っても受かりません。
あまりのショックに勉強をやめてしまおうかと思いました。

10月

自主模擬試験のショックから立ち直れず、かといって勉強法を変えることもなく、ただ過去問題集と予想問題集を解きました。
もっと勉強時間を増やす必要があると思ったのですが、気が付くとサッカーゲームをやっています。
夜10時から12時まで勉強して、その後、午前2時までテレビゲームをやっているのですから自己管理能力が中学生以下です。

問題集をやっていてもなかなか頭に入りません。
例によって一度間違えた問題には印を付けているのですが、またやってみるとまた間違えます。
そこで間違えた問題については解説をノートに丸写しすることにしました。
このノートの内容を覚えれば同じ問題を間違えるはずはありません。
時間がかかりますが、これはなかなか効果的でした。
逆に言うと、それまではどうやら正解を勘によって導いていたようです。
道理で29点になってしまうわけです。

さらにこんな方法を実行しました。
勉強時間を増やすことができないので、通勤の行き帰りを使うことにしたのです。
自宅から駅までは徒歩なのですが、この時間を使います。
先ほどのノートの内容をウォークマンで録音して聞きながら歩くのです。
正確にはパソコンで録音してMP3にしてMP3プレーヤーで聞きました。
これは意外に効果がありました。
もっと早くから実行していればよかったと思います。

10月(試験当日)

10月19日の試験当日です。
前日はろくに勉強もせず早く寝てしまいました。
試験会場には定刻の1時間前に着きましたが、すでに半分以上の受験者が来ています。
若い人もいますが、私より年上のおじさん、おばさんが多いようです。
受験者の平均年齢を知りたいところです。
知ったからどうということはありませんが。

私の席は1番後ろの1番左の窓際でした。
外はグラウンドで野球部が練習をしています。
窓を開けていたのでかけ声がうるさいのです。
前の方の席に座った受験者が「うるさいから何とかしれくれ」と試験官に文句を言っていました。
もう5回くらい落ちていると思われるおじさんです。
まあ切実な問題なのでしょう。
「そんな文句を言ったって落ちる奴は落ちるんですよ」と喉まで出かかりましたが、他人のことを言える立場にないことを思い出してやめました。

そして試験が始まりました。
2時間で50問ですから1問あたり2分くらいのペースで解いていかないとダメです。
2分半のペースだと時間オーバーになってしまいます。
最初のうちは順調でしたが、途中から間に合わないペースになります。
「後半に計算問題があったらダメだ」と思いました。
計算問題は結構、自信がありましたが、解くのに時間がかかります。
問題用紙をめくると幸か不幸か計算問題はありませんでした。
もうペース配分も何もないほど時間が足りません。
最後の5問くらいは早押しクイズのような状態で答えを記入しました。
そして終了です。
とにかく手応えがありません。
例の自主模擬試験のときより自信がありませんでした。

試験会場を出ると近くを歩いていた若い女性、学生だと思いますが、携帯電話で誰かと話をしていて「迷ったのは2問くらいだった」と恐ろしいことを言ってくれます。
こちらは迷わずに答えを出したのが2問くらいなのに。
「今朝は5時まで勉強したから」とも言っています。
私は寝てしまいました。
いつもより早く。

インターネットで模範解答が出ているようですが、答え合わせする気もしません。
気晴らしにドライブに行き、トイザらスで童心にかえりました。

11月

テレビゲームでサッカーを楽しみました。

12月

もう完全にあきらめていましたが、合格発表の日は覚えていました。
12月3日です。
受験番号が分かればインターネットで合否が分かるのですが、受験票が手元になかったので調べられませんでした。
どうやら合格点は35点らしいということだけ分かりました。

しかし、翌日、合格証書が届きました。
まったく自信がなかったので、家族に「合格証書が届いている」と言われたときは担がれているのではないかと疑ってしまいました。

12月18日、答え合わせをしてみました。
結果は39点でした。

教材

宅建学習のための教材は、いろいろありますが、完全な自学自習でやろうとしている場合、基本書、過去問題集、予想問題集の3種類を使って学習する人が多いと思います。

それで本屋さんに行っていろいろ見るのですが、何でこんなにあるのか、と思うくらいたくさん置いてあるわけです。
で、結局、何を買おうかと迷うわけです。
多分、このページを読んでいる人はそういう体験をしたのではないでしょうか。

宅建の解説書とかウェブサイトを見てみると「この問題集は初学者には難しい」などと書かれていることがあります。
つまり「この問題集は初めて受験する人には難しく受験2回目以降の人向けだ」という意味です。
でも、これ、考えてみると、ちょっとおかしいのです。
受験2回目以降の人は知識があるから理解できるという意味なのでしょうけど、だったら、すでに受かっていなければおかしいと思うのです。
初学者の人のレベルなんて分かりません。
中には受験2回目以降の人よりも理解度の高い人だってきっといます。
だから、初学者向けとかベテラン向けだとかという評価は当てにならないと思います。

また、働いていて時間がない人とか、現に不動産業に携わっている人だとか、環境によっても違うと思います。

したがって「この教材がいい」とはなかなか言い切れないのです。
結局、教材は自分で選ばなければいけません。
大事なのは自分で選んだものを最後まで信じてやり抜くことです。

基本書

基本書は宅建の「教科書」です。
あるいは「辞書」です。

基本書には2種類あって、一つは〔何でも書いてあるもの〕、もう一つは〔ポイントだけが書いてあるもの〕です。
どちらか一つと言われたら、もちろん〔何でも書いてあるもの〕を選ぶでしょう。
ポイントは問題集で押さえます。

また、宅建の学習内容は「民法」や「宅建業法」などという項目に分けられます。
基本書には〔すべての項目が1冊にまとまっているもの〕と〔項目ごとに分冊になっているもの〕があります。

ということで、基本書は次の4つのパターンに分けられます。

何でも書いてある ポイントだけが書いてある
すべての項目が1冊にまとまっている 1 2
項目ごとに分冊になっている 3 4

私は住宅新報社の「パーフェクト宅建」を使いました。
上の「パターン1」に該当します。
パーフェクトというだけあって、過去問に関することについてはすべて載っていました。
〔何でも書いてあるもの〕の代表でしょう。
いろんなものに手を出すくらいならば、これを最初に買って最後まで使うのがかえってお徳でしょう。

また〔すべての項目が1冊にまとまっているもの〕です。
その分、分厚くて重たいのですが。
分冊だと使いにくいような気がします。
「あ~の」「は~ん」なんて分冊になっている「辞書」は使いにくいはずです。
また、学習し始めの頃は、その問題がどの項目に書かれているのかすら分からないのです。
「民法」なのか、「宅建業法」なのか、「その他」なのか、分からないわけです。
だから分冊になっているとそれだけで迷います。
1冊になっているものをおすすめします。
さらに言えば、索引が充実しているものです。
「パーフェクト宅建」はこの点でも使いやすかったのです。

過去問題集

過去問題集にも2種類あって、〔過去問から選んで載せているもの〕と〔過去問から選ばずに載せているもの〕があります。
選んで載せている場合は、編者の都合のいいものばかりを選ぶおそれがあるので、これは私の思い込みですが、時間に余裕がある場合には過去問から選ばずに載せているもの、つまり、過去7年分とか過去10年分とかのすべての問題が載っているものを選ぶのがいいでしょう。
またこういうのは1年分50問がまとめて載っているので実戦に即した学習ができます。
本番では2時間50問というのが、解くのに、結構、時間がぎりぎりなので、普段から50問の分量を体感しておくのがいいと思います。

私は住宅新報社の「10年間の宅建問題集」を使いました。
これは実際の試験問題を1年ずつそのまま載せています。
10年分の問題が本の前半に、解答が本の後半に載っていて、めくりながら勉強するには不便ですが、私は問題をまとめて解いて、まとめて答え合わせをするという勉強をしましたので、かえって便利でした。
なお、問題部分は切り離しができるように切り取り線が印刷されています。
ミシン目が付いているわけではありませんが。

また、この問題集のよいところは、法令改正などで問題文が現在の内容にそぐわない場合は適宜改定した内容に変えていることです。
これは大事なことです。
せっかく覚えても内容が古かったり間違っていたりしたらもったいないですから。

住宅新報社の過去問題集には「宅建過去問分析集」というのもありますが、これは〔過去問から選んで載せているもの〕です。
「10年間の宅建問題集」を使えばすべてを網羅していると思って、使いませんでしたが、体系的な勉強をするためにはテーマごとに問題がまとめられた問題集の方がよいのは確かでしょう。

あともう一つ、問題集選びのポイントです。
宅建の問題はすべて4択です。
4つの文章から正しいもの、間違っているものを1つ選ぶ問題がほとんどです。
さて、問題集には「400問収録」というようなたたき文句がついているものがあります。
これ、よく見ないと本当の収録数が分かりません。
4つの文章で1問とカウントしているものならばよいのですが、中には、1つの文章を○×形式にして1問とカウントしているものもあるのです。
この場合、実際には宅建試験の100問分にしか相当しません。

予想問題集

過去問題からではない、オリジナルの問題を集めたものです。
宅建の実際の試験のように4択になっているものもあれば、○×式になっているものもあります。

大事なのは予想が当たるかどうかではなく、解説が分かりやすいかどうかということではないでしょうか。

私は住宅新報社の「宅建予想問題集」を使いました。
これはよくなかったです。
解説が分かりにくいのです。
あと問題に偏りがあるような気がしました。

その他

そのほかに使った教材を紹介します。

株式会社メディアファイブというところが出している「宅建試験」というCD-ROMです。
これはパソコンソフトです。
私は家に帰るとパソコンの電源を常に入れているような人間ですので、パソコンソフトを使えば自然と勉強すると思ったのです。
しかし実際は気が付くとゲームをやったりインターネットを見たりしてまったくはかどりません。
「これだったら普通に勉強した方がいいや」ということになりました。

まあ、それは私自身の気の弱さに原因があるのですが、教材自体もひどいものでした。
ソフトの使いにくさなどの問題以前に、誤植が多いのです。
誤植だけでなく学習初心者の私でも気が付くようなミスがあちこちにあって不安になります。
また過去問題が収録されているのですが、法令改正をまったく反映せず、当時のままでした。
「これで勉強していたら落ちる」と思ったのでした。

あともう一つは、こう書房の「かんぺき宅建」です。
実はこれを最初に買いました。
これ1冊で受かると書いてあったからです。
基本書ですが〔ポイントだけが書いてあるもの〕の一つです。
ユニークなのは内容が会話形式になっていることです。
口語体という意味ではありません。
架空の二人が宅建のポイントを芝居形式で会話するというものです。
だから読みやすいのですが「こんなので合格できるのかな」と思いました。

宅建は50問出題され、毎年、35点くらいが合格点なわけです。
で、この本はポイントを35章に分け、これらをかんぺきに覚えれば35点取れるから合格、という非常に思い切りのいい基本書なのです。
しばらく、これを信じて読んでいたのですが、そのうち不信感が募り、試しに過去問をやってみると全然できません。
「かんぺき宅建」を読みながら答えを探してもできません。
つまり、嘘でした。

しかしながら、他の教材で勉強し直してから、もう一度、読んでみると、確かにポイントは押さえてあるのです。
また、なぜそんな法律構成になったのか、というのも、実例を挙げて説明しているので、分かりやすいという部分もあります。

教材-まとめ

その他、教材選びで注意するとよいことをまとめると次のとおりです。

同じ出版社の教材で揃える

複数の出版社の教材で勉強すると、一つの事項を複数の角度から見ることができるので、分かりやすいかもしれません。
しかし同じ出版社の教材で勉強するメリットが少なくとも一つあります。
私は、結果的にすべて住宅新報社のシリーズで勉強をしました。
同じ出版社の教材で統一するメリットは問題集に基本書の参照ページが載っていることです。
これは便利でした。

法令改定に対応している

宅建の試験はその年の4月1日時点の法令によって出題されます。
しかし、たいていの教材はその前に出版されるので、どうしても法令改定に対応していません。
だから、最低でもその前年までの法令改定が反映されている最新の教材を使うことです。
そして法令改定対応のはがきが付いていることです。
このはがきを送ると、4月1日の法令改定を反映した正誤表を送ってくれます。

「かんぺき宅建」はなかなか詳細な正誤表を送ってきました。
「パーフェクト宅建」は中身が空の封筒を送ってきました。
正誤表を入れ忘れたのでしょう。
出版社のウェブサイトがちゃんとしていたので、そちらでPDFを取り出して対応しました。
そういえば「パーフェクト宅建」は試験が10月なのに8月の終わり頃まで、最新の正誤表の訂正をやっていました。

出版社から送られてきた正誤表についてはすぐに教材の訂正作業をやってしまうことをおすすめします。
「これ、間違っているんじゃないか」と不安な気持ちで勉強していたら、頭に入るわけがありません。
もっともそんな正誤表に出るようなところはほとんど試験に出ませんが。
絶対とは言えませんが、直前の法令改定が試験に出題されることはあまりないそうです。

(この記事は2003年に書いたものです。)

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