株式分割で株価は上がるのか 2025年の262銘柄を全部調べた

株式分割が発表されると、買いのサインだと言われることがあります。
分割後に急騰した銘柄の話も、よく目にします。

ただ、それが本当なのかを確かめた数字を見たことがありませんでした。
急騰した銘柄が話題になるのは、上がったからこそ話題になっているだけかもしれません。

そこで2025年に株式分割をおこなった銘柄を全部集めて、その後の株価を追いかけました。
結論から書きます。
株価が上がった銘柄は、半分に届きませんでした。

調べ方

2025年に株式分割を実施した262銘柄を抽出し、分割の前後で株価がどう動いたかを調べました。
このうち実際に株価を追うことができたのは255銘柄です。

まず気をつけなければならないのが、分割そのものによる株価の下落です。
1株を2株に分割すると、株価は理論上ちょうど半分になります。
持っている株数が倍になっているので損はしていませんが、株価だけを見れば半値です。

そのため、分割前後の株価をそのまま比べても意味がありません。
分割直前の株価を分割比率で割った値を基準にして、そこからどれだけ動いたかを見ます。
基準どおりなら増減なし、それを上回れば上昇ということになります。

もうひとつ、差し引かなければならないものがあります。
相場全体の動きです。

2025年から2026年にかけて、日本の株式市場は全体的に上昇していました。
分割した銘柄が上がっていたとしても、それは分割とは関係なく、単に相場が良かっただけかもしれません。
そこで同じ期間における全銘柄の値動きを計算し、それを差し引いたうえで比べることにしました。

以下の数字はすべて、相場全体の上昇分を差し引いた後のものです。

なお、成績の良かった銘柄を選んだわけではありません。
2025年に分割した銘柄を、そのまま全部入れています。

結果

分割直後、1ヶ月後、6ヶ月後の3つの時点で調べました。
「真ん中の銘柄」とあるのは、成績を順に並べたときに中央に位置する銘柄の値です。
平均を使うと一部の急騰した銘柄に引っ張られてしまうため、こちらを使っています。

期間 上がった銘柄 下がった銘柄 真ん中の銘柄
分割直後 42.4% 57.6% -0.49%
1ヶ月後 44.7% 55.3% -1.43%
6ヶ月後 51.4% 48.6% +0.98%

分割直後は、6割近くの銘柄が下がっています。
1ヶ月後もほとんど変わりません。

6ヶ月かけて、ようやく上がった銘柄と下がった銘柄がほぼ同数になります。
どの時点でも、上がった銘柄が下がった銘柄を上回ることはありませんでした。

まとめ

分割そのものが株価を押し上げる力は、今回の調査では確認できませんでした。
分割後に上がった銘柄はもちろんありますが、それは分割とは別の理由で上がっていると考えるほうが自然です。

株式分割は、1株あたりの価格を下げて買いやすくするための仕組みです。
その会社の価値が増えるわけではありません。
分割の発表そのものを買う理由にするのは、今回のデータを見るかぎり根拠が薄いと言えます。

この記事は過去のデータを調べた結果をまとめたものです。
将来の値動きを保証するものではありません。
投資の判断はご自身の責任でお願いします。

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