次のような計算問題がありました。
1² + 1² + 2² + 3² + 5² + 8² + 13² + 21²
この計算、頭の中でやろうとすると大変です。でも、正方形を並べた図を一つ見るだけで、答えがすぐ求められます。
フィボナッチ数列とは
フィボナッチ数列とは、前の2つの数を足すことで次の数が決まる数列です。
1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, …
たとえば 1+1=2、1+2=3、2+3=5 というように続いていきます。自然界の花びらの枚数や、植物の葉の配置にも現れることで知られています。
正方形を並べると長方形になる
各フィボナッチ数を1辺とする正方形を、次の図のように並べます。
正方形を1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21 の順に隙間なく並べると、縦21・横34の長方形がぴったり完成します。
ここで気づくことがあります。縦の21と横の34は、どちらもフィボナッチ数列の連続する2つの数です。
長方形の面積=各正方形の面積の和
長方形の面積は「縦×横」で求められます。つまり、
21 × 34 = 714
各正方形の面積を1つずつ足していくと同じ値になるはずです。実際に確かめると、
1 + 1 + 4 + 9 + 25 + 64 + 169 + 441 = 714
一致します。図形を見れば、この計算が「21×34」という一発の掛け算に置き換えられることが一目でわかります。
どこで打ち切っても同じ法則が成り立つ
この性質は、8項目で打ち切ったときだけに成り立つわけではありません。フィボナッチ数列をどこで打ち切っても、同じ法則が成り立ちます。
上の図のように、
- 1² + 1² + 2² = 2 × 3 = 6
- 1² + 1² + 2² + 3² = 3 × 5 = 15
- 1² + 1² + 2² + 3² + 5² = 5 × 8 = 40
というように、「最後のフィボナッチ数」と「その次のフィボナッチ数」の積が、2乗和の答えになります。
なぜこの法則が成り立つのか
これは偶然ではなく、フィボナッチ数列の定義そのものから導かれます。
正方形を1つ追加するたびに、全体の長方形は必ず「隣接する2つのフィボナッチ数の積」の長方形になります。これはフィボナッチ数列の「前の2項の和が次の項になる」という性質が、正方形の配置の上で直接あらわれているためです。
式で書くと次のようになります。
F(1)² + F(2)² + … + F(n)² = F(n) × F(n+1)
図形にすることで、この等式が「長方形の面積を2通りの方法で求めている」ことにほかならないと、直感的に理解できます。
図形の力
数式だけを眺めても気づきにくいことでも、図形にすると一瞬で見えてくることがあります。
フィボナッチ数列の2乗和の公式は、その好例です。計算の手間を省くだけでなく、「なぜその式になるのか」という本質を図が説明してくれます。
数学の美しさは、数式の中だけにあるわけではありません。図形として描いたときに初めて見える構造の中にもあります。

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