Hard to Be a Rock'n Roller - Wig Wam

世界歌謡祭というコンテストがあった。世界と冠しており海外のミュージシャンも出場しているが、主催者はヤマハであり司会は長く坂本九が担当して受賞者も上條恒彦や中島みゆきという、日本人のためのコンテストであった。
ただ新人に門戸を開くという点では有意義な大会と言えた。
司会の坂本九とスポンサーの一つである日本航空の社長が乗るジャンボ機が御巣鷹山に落ちるまで、このコンテストは続いたと記憶している。

同様のコンテストがヨーロッパにある。ユーロビジョンというものでやはり新人を発掘するためのコンテストである。
アバやセリーヌ・ディオンがこのコンテストで活躍したらしい。
ノルウェーのウィグ・ワムもこのコンテストで2005年に優勝した。
日本では2006年にアルバム「ハード・トゥ・ビー・ア・ロックンローラー」でデビューした。実際はこれより前にデビューしており、日本デビューに際して過去のアルバムを編集したものかもしれない。

格好はグラム・ロックだが曲調は極めてオーソドックスなハード・ロック。
私の記憶だとメンバーは四人とも当時、既に40歳を超えていたと思う。やはりグラム・ロックの影響を受けた世代だろう。演奏はしっかりしていて勝手な想像だがメンバーはスタジオ・ミュージシャン上がりだと思われる。特にギターはハード・ロックのツボを抑えた堅実な演奏だけでなくトリックなども駆使するテクニシャンである。
スレイドの曲に「ウィグ・ワム・バム」という曲があって、バンド名はここから取ったのは明らかであるから、ここからもグラム・ロックからの影響を感じる。

アルバムの出色はオープニングの「イン・マイ・ドリームス」だろう。コンテストで披露した曲らしい。緩急、抑揚のある佳曲である。ビデオだと全員がアルバム・ジャケットと同じ派手な格好をして見ていて楽しい。

[2015-10-08]

Wig Wam,2006年

ドリカムの限界 | Virtual XI - Iron Maiden

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