Keeper Of The Seven Keys Part 2 - Helloween

「Burrn!」を初めて買ったときの表紙がハロウィーンで、そのときのアルバム・レビューのトップがこの「キーパー・オブ・ザ・セブン・キーズ・パート2」だったと思う。どちらかかもしれない。

アルバムのオープニングに一分程度の壮大なインストゥルメンタルを置き、二曲目にスピード・チューンを配すというパターンを開拓したのはジューダス・プリーストで、確立したのはハロウィーンであろう。
前作「パート1」でこのパターンを披露した。そしてもう一つ披露したのが新ボーカリスト、マイケル・キスクである。それまではギタリストのカイ・ハンセンがボーカルを兼任していたが、専任の若いボーカリストに変えたのである。このティーンエイジャーがハロウィーンを変えた。

「パート2」は、壮大なオープニングからスピード・チューンというパターンで最初から飛ばしまくる。そのスピード・チューン「イーグル・フライ・フリー」は中間部に面白い趣向がある。ギター・ソロがあるのは当たり前だが、その後にベース・ソロが入る。さらに別のギター・ソロの後、ドラム・ソロまで登場する。ボーカル以外のメンバー全てにスポットを当てる曲は珍しい。
名曲「アイ・ウォント・アウト」やユーモラスな「ライズ・アンド・フォール」、「ドクター・ステイン」などが披露され、最後に十三分を超える大曲が登場する。
元々、前アルバムと今アルバムは二枚組で発表される予定だったと記憶している。それが何らかの事情で「パート1」と「パート2」に分けて発表されることになったが、元はひとつのアルバムだったのである。それらの最後となる曲がこの「キーパー・オブ・ザ・セブン・キーズ」である。アコースティック・ギターのアルペジオから静かに始まり、徐々に音の厚みとスピードを増す構成。緩やかなインストゥルメンタル、ドラマティックなボーカル、激しいインストゥルメンタル。この長さを感じさせない緩急に富んだ構成は、二人のギタリスト、カイ・ハンセンとマイケル・バイカートの作曲能力の高さを示すものであり、それを成立させるには低音部から高音部まで楽々と歌いこなすマイケル・キスクの歌唱力が不可欠であっただろう。

なお、私の持っているCDには、この曲の後にボーナス曲が収録されている。ぶち壊しとまでは言わないが、このようなオープニングからエンディングまで考えぬかれたアルバムにボーナス曲は不要である。

関連記事

[2014-10-25]

Helloween,1988年

Rumours - Fleetwood Mac | Death Or Glory - Running Wild

©2014-2020You Look Too Cool