Blue Murder - Blue Murder

ブルー・マーダーはギタリスト、ジョン・サイクスのバンドである。つまり、このバンドは「ジョン・サイクス・バンド」と呼んでもいいような性格を持ったバンドである。
ジョン・サイクスの名が一気に売れたのはホワイトスネイクによるものが大きい。元ディープ・パープルのデイヴィッド・カヴァデールが率いるホワイトスネイクに加入していた。そしてアルバム「ホワイトスネイク」を発表した。この作品が完成した直後にデイヴィッド・カヴァデールはジョンら自分以外のメンバーをすべて解雇した。アルバムはホワイトスネイク史上最大のヒットとなりデイヴィッド・カヴァデールは名声を独り占めすることとなった。
おさまらないのはジョン・サイクスである。アルバム「ホワイトスネイク」のほとんどの曲はジョン自身が書いたものであるのに、デイヴィッド・カヴァデールはさも自分一人で作ったような振る舞いをしている。貢献者であるジョンを解雇するような横暴な行為を許す訳にはいかない。
ジョンは自分のバンド、ブルー・マーダーをつくる。メンバーには当初、元レインボーのコージー・パウエルがいたのだが、結局、カーマイン・アピスとトニー・フランクリンに決まる。そしてボーカルはジョン自身が歌うことになった。これが意外に良かった。ブルー・マーダーのデビュー・アルバム「ブルー・マーダー」が発表された。ホワイトスネイクのサウンドの鍵を握っていたのはジョン・サイクスであったことを実証する内容であった。
一方、デイヴィッド・カヴァデールの新生ホワイトスネイクもニュー・アルバムを発表する。ギタリスト二人がそれぞれ脱退、病気療養となってしまったため、急遽、スティーヴ・ヴァイを加入させ、レコーディングされたこのアルバムはさっぱり売れなかった。デイヴィッド・カヴァデールは目先の成功をとるためにその後の成功を捨てたのである。

関連記事

[2014-07-05]

1989年,Blue Murder,ジョン・サイクス,デイヴィッド・カヴァデール

Asia - Asia | Images and Words - Dream Theater

©2014-2020You Look Too Cool