In the Court of the Crimson King - King Crimson

このアルバムは1969年に発表された。当時、終焉を迎えようとしていたビートルズが放った名作「アビーロード」がアルバム・チャートのトップを走っていた。そのアルバムをトップの座から引きずり降ろしたのが、ここで紹介するキング・クリムゾンの「クリムゾン・キングの宮殿」である。バンド名はキング・クリムゾンだがアルバム名はクリムゾン・キングである。少しややこしいかもしれないが、間違いではない。

ジャケットを見ると凄い。最近はLPではなくCDばかりになってしまい、サイズが小さいため、ジャケットを楽しむことが難しくなってしまった。LPであった頃は凝りに凝ったイラストが描かれていることが少なくなかった。しかしCDでは安直にバンドのメンバー写真で済ませてしまっていることが多くなった。だが「クリムゾン・キングの宮殿」のジャケットは凄い。CDサイズになっても凄い。赤い顔が描かれているだけだ。しかしその表情は今にも狂気に走りそうなほどの驚愕をはっきりと示している。このジャケットの顔は、おそらく、このアルバムの1曲目「21世紀の精神異常者」をモチーフにしているに違いない。

ディストーションで歪ませたボーカルが絶叫する。すべての楽器(サックスらしき管楽器もある)が寸分違わず、同じフレーズを演奏するかと思えば、突如、アドリブの応酬となり、それがまた元のフレーズに戻る。秩序と混沌の繰り返しである。卓越した演奏力がそれを支える。

キング・クリムゾンはバンドの形態をとっているが、その実体はリーダーでありギタリストであるロバート・フリップとその仲間たちが集まってできあがったプロジェクトといった方がよいかもしれない。「クリムゾン・キングの宮殿」で衝撃的なデビューをしたときのメンバーで現在も残っているのは、ロバート・フリップだけである。後はすべて入れ替わっている。

※この記事は1995年に書かれたものです。

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[2017-08-20]

King Crimson,1969年

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