リッチー・ブラックモアが初心者にも愛される理由

リッチー・ブラックモアはディープ・パープルとレインボーのギタリストでありメインソングライターである。
ディープ・パープルには「スモーク・オン・ザ・ウォーター」、「ハイウェイ・スター」、「バーン」といった代表曲があり、レインボーには「シンス・ユーブ・ビーン・ゴーン」、「オール・ナイト・ロング」という人気曲がある。
これらの曲には共通点がある。ギターでこれらの曲のリフを弾いたことのある人は皆気付くはずだ。
全てGマイナーの曲である。レインボーの「マン・オン・ザ・シルバー・マウンテン」、「キル・ザ・キング」、「ロング・リブ・ロックンロール」も同様だ。他にもあるかもしれない。
イアン・ギラン、デイヴィッド・カヴァデール、ロニー・ジェームス・ディオ、グラハム・ボネットとタイプの異なるボーカリストに対して同じキーだから歌いやすさによるものではないだろう。
リッチーのこのタイプのリフは弾きやすい上に格好がいいのである。私のような永遠のギター初心者でも弾ける。

Gマイナーだがパワーコードを多用するので音としては低いG、D、高いGである。このDと高いGはギターにおいて同じ五フレットの五弦と四弦なので指一本で押さえられる。
同様にFコードのCとFは三フレットの五弦と四弦である。例えば薬指でGマイナーを弾き人差し指でFを弾くということが簡単にできるのである。

ギターを始めると皆が「スモーク・オン・ザ・ウォーター」のリフを弾いてみるが、その理由はこのリフが上述のように薬指と人差し指だけで弾けるからである。
なおこのリフは人によって弾き方が異なる。リッチー自身がどう弾いているかは知らない。

リフと言えばブラック・サバスのトニー・アイオミが有名である。日本ではリッチーの方が有名だが海外ではブラック・サバスの人気もあってトニーの方が広く知られているように思われる。
ブラック・サバスのリフはフレット間の移動を伴うものが多く少し難しく感じる。

レッド・ツェッペリンおよびそのギタリスト、ジミー・ペイジについては、日本では存在を知る者は多いが曲は聴いたことがないという者は多いように思われる。実は海外での人気はディープ・パープルとは比べ物にならない。
これについて、ツェッペリンにはパープルの「スモーク・オン・ザ・ウォーター」に匹敵する簡単な曲がないからと考えている。

ハード・ロックの特徴の一つにギター中心の楽曲であるというのがあるが、これに関連してリフの存在が挙げられる。
一般的なポップスであれば、ある曲を説明するには一節歌う必要があるが、ハード・ロックならばリフを聴かせるのが最も早い。

リッチー・ブラックモアはリフ作りの天才であることからハード・ロック界の天才と言える。

なおリッチーはリフ作りの天才だけではないことを申し添えておく。早弾きというスタイルを早い時期から確立していたなど演奏技術についても最高レベルにあったことは間違いない。
また優秀なボーカリストを発掘する能力はハード・ロックの世界でナンバー・ワンである。そしてすぐに飽きる天才でもある。

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[2017-05-04]

評論,リッチー・ブラックモア,トニー・アイオミ,ジミー・ペイジ

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