Supper's Ready - Various

どのアーティストもいずれかのアーティストの影響を受けている。これをフォロワーと呼ぶ。
勝手な憶測であるがプログレの世界で最もフォロワーが多いのはジェネシスではないかと思う。
私がよく聴くバンドの中では、マリリオン、ペンドラゴン、イット・バイツなどが思い浮かぶ。
これらはジェネシスのフォロワーと呼んでいい。またこれらのバンドはポンプ・ロックとも呼ばれる。ポンプは「華やかな」という意味である。
ジェネシスの楽曲は展開も音使いも発想が豊かであり確かに派手である。その点では最高である。
怒られるかもしれないが、一方で演奏力、歌唱力は最高とは言えない。もちろん水準は高いが五大プログレの中で比較すると下の方だろう。

となれば他のバンドがジェネシスの楽曲を演奏したらどうなるか、という思いが生じるのは自然なことかもしれない。
例えばイエスがジェネシスの楽曲を演奏していたら面白かっただろうと思う。
あるいはフィル・コリンズが初期の楽曲を歌っていたら素晴らしかっただろうと思う。
このような想像は誰しもやることだろう。
それを叶えるのがトリビュート・アルバムである。そのバンドをリスペクトした別のバンドが彼らの楽曲をカヴァーする。ひょっとするとリスペクトではなく「私の方が上手く演奏できる」というアピールかもしれない。聴く方としてはどちらでも構わない。
そしてジェネシスのトリビュート・アルバムが存在する。「サパーズ・レディ」というタイトルである。アルバム「フォックストロット」に収録された二十分を超える楽曲から拝借している。
残念というか当然というかイエスは参加していない。
また当然ながら長尺の曲も採り上げられていない。先の「サパーズ・レディ」も然り。ジェネシスはキャリアの後半の方がコンパクトな曲が多いからか、そちらから選択されているケースが多いように思える。となればフィル・コリンズ時代の曲が多くカヴァーされていて、これは面白くない。フィル・コリンズより上手いボーカルなど滅多にいないからである。

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[2016-02-23]

1995年,トリビュート

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